野外での生活を1人で楽しむ「ソロキャンプ」の人気が、
20~30歳代の男性を中心に高まっている。
誰とも会話せず、大自然の中で自分の時間をぜいたくに使える大人の趣味として広がりつつある。
愛好家の呉市の僧侶山縣雷音さん(28)は4月中旬、
海田町のキャンプ場の小川近くにテントを組み立て、
火をおこしてウインナーを焼いて味わった。
川のせせらぎや野鳥の鳴き声、風で木々が揺れる音が聞こえる中、
夕日が沈むのをのんびりと眺めて過ごした。
日々、法事や葬儀などで檀家(だんか)からじっくり話を聞いて相手の心に寄り添っている。
「ここは自然の開放感がなによりのぜいたくで、落ち着いて心身ともにリフレッシュできる。
また仕事を頑張ろうという気持ちが湧く」と明かす。
廿日市市の会社員山崎康司さん(33)も愛好家の一人。
友人とにぎやかに過ごすキャンプと違って、相手の都合に合わせず、
気軽に出かけられるのがメリットという。
「野外でお湯を沸かしてカップラーメンを食べながら星空を眺めるだけでも十分、非日常感を味わえる。
料理も誰にも気を使わなくていい」
キャンプの本格シーズンは5~10月。
働き方改革の広がりを背景に仕事と私生活の充実や休みやすい環境づくりが進む中、
パソコンやスマートフォンから離れる「デジタルデトックス(解毒)」の一つとして注目される。
パワーズ広島店(広島市安佐南区)によると、
昨年のキャンプ用品の売り上げは前年比3~4割伸びているという。
同店の担当者は「軽量化で機能が充実した小型グッズが増えている。
素人でも気軽に楽しめるようになったのが要因」とみる。
(中川雅晴)
~~~中国新聞より~~~