いわゆる架空請求も新手が次々と登場している。
「有料視聴分の未納料金をお支払い下さい」。
米ラスベガスに本社を置くという「fc2サービス」を名乗る会社から、
そんなメールが届いた。
記者があるサイトで動画を5分間無料視聴した後、
有料動画(1分100円)に移行する案内に了承、
3日分の未払いが生じた。
未納金は遅延損害金を含めて51万3600円。
24時間以内に支払わないと法的手段を取る-とのこと。
ただ、身に覚えがない場合、支払わずに済む方法があるという。
手数料は2万円。
指示通りに「合同受付」という会社に性別、在住都道府県、
携帯電話番号を送ると、新たな指示メールが届いた。
(1)コンビニのレジで「インターネット代金支払い」を申し出る
(2)メールに記載した13桁の支払い番号を伝えて支払う-。
取材班はコンビニ店員に、支払う直前までの手続きをしてもらった。
支払先として表示されたレジの画面を見て、驚いた。
ネット通販大手アマゾンの名が。
これは「コンビニ収納代行」を悪用した新手の詐欺。
送信元がネット通販で何らかの商品を購入、
コンビニ払いを選んだ際に通知される支払い番号を伝えてきたというわけ。
つまり、送信元の買い物代を肩代わりすることになる。
手数料と言いながら、そこには「二重のわな」が潜んでいた。
送信元に電話番号を聞くと、拒否された。
「これは迷惑メールですか」と単刀直入に聞くと、
今度は脅迫めいた返信が来た。
貴殿は約束を守らない恥ずかしい人間だと周囲に言いふらしますよ。
人様に迷惑かけることばかりせず素早く対応しなさい。
人としておしまいですよ
やりとりは70通以上。
送信元の「正体」は分からないままだった。
総務省が相談業務などを委託する「迷惑メール相談センター」に提供された
迷惑メールは2016年度、約1453万7千件。
送信者が特定できれば警告できるが、
「きりがない。対応には限界がある」と総務省の担当者は話す。
~~~西日本新聞朝刊より~~~