海賊版サイト

2019.12.24

出版9団体でつくる「出版広報センター」(東京)は16日、

福岡市内で記者会見し、漫画村に類似した海賊版サイトが

現在500以上あることを明らかにした。

昨年4月の漫画村閉鎖後は、会員制交流サイト(SNS)や

動画投稿サイトを通じた違法公開が増えているという。

 センターが今年11月に行った調査によると、

海賊版サイトは500~600サイトあった。

上位10サイトの国内からのアクセス数は月間計6551万回で、

全体では1億回を超えるとみられる。

 漫画の画像や検索結果の表示に関する出版社からの

削除要請は年間200万件に上り、

年間200サイトを閉鎖に追い込んでいるものの、

「アドレスを変えたり、新たなサイトが出てきたりして、

対応が追いつかないいたちごっこ状態」(センター)。

 福岡県警などは7月以降、漫画村事件で4人を逮捕、起訴。

出版関係者は「摘発が抑止効果になる」と期待していた。

だが、同センター海賊版ワーキンググループの伊東敦座長(集英社)は、

漫画村が社会問題化したことで、

皮肉にも「読者の間で『ネットでは無料で漫画が読める』と

間違った認識が広がってしまった面がある」と指摘する。

 最近では、公開に手間がかからないためか、

自分のSNSにデータをアップする「SNS型」のサイトが急増している。

伊藤座長は「気軽にアップしても、著作権侵害であることには変わりない。

閲覧する読者の側が海賊版サイトを支えていることも自覚して」と訴えた。

 (梅沢平)

 

漫画村元運営者「責任ある」

 人気漫画をインターネット上に無断で公開する海賊版サイト

「漫画村」(閉鎖)を巡り、著作権法違反罪に問われた

元運営者の星野路実被告(28)の初公判が16日、

福岡地裁(太田寅彦裁判長)であった。

星野被告は「何かしら(漫画が)アップロードされるのは知っていた。

責任はあると思う」と起訴内容を認めた。

 検察側は冒頭陳述で、星野被告は2015年ごろ、

経営するメイド喫茶で雇った安達亙被告(38)

=同法違反罪で公判中=と知り合い、

遅くとも16年12月には安達被告とサイト運営を開始した、と説明。

画像更新役の20代の男女=いずれも有罪判決=に

漫画の画像データをネット上にアップロードさせ、

月1回報酬を渡していたとした。

 起訴状によると、星野被告は作者らの許諾を受けないで、

17年5月、集英社の人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」と

「キングダム」の画像データをネット上に公開して著作権を侵害したとされる。

 星野被告は、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)の疑いでも

再逮捕されている。

 集英社は「裁判を通じて『漫画村』の運営の全貌や

収益の実態が解明され、再発防止につながることを望む」とコメントした。

 

~~~西日本新聞社より~~~

 

 

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