ラーメンスープで車は走るのか―。
岡山理科大の近藤千尋准教授(代替燃料)が、
ラーメンの残ったスープから生物由来のバイオディーゼル燃料(BDF)を生み出す
ユニークな研究を進めている。
学生たちとカップ麺をひたすら食べては油分を回収し、
しょうゆやみそ味よりも「背脂豚骨系」がBDFに向くことを突き止めた。
地球資源を循環させ、廃棄物対策にもなる“おいしい”燃料に注目が集まりそうだ。
「この油膜は再利用できそうだな」。
近藤准教授は2014年、ラーメンを食べながらこんなことを考えた。
岡山理科大への赴任を控えた時期で、新たな研究テーマに決めたという。
内容は至ってシンプル。
カップ麺の残ったスープから油だけを集めてBDFを製造する。
学生らと数十種類のカップ麺を食べては実験を重ね、
豚骨系なら1杯で約10ミリリットルのBDFが得られることや
粉末より液体スープの方が油を多く含んでいることが分かった。
次に検討したのは油の回収方法。
▽スープを加熱して水分を蒸発
▽スープを冷やして固まった油をすくい取る「低温凝固」
▽薬品による分離
の三つを比べ、薬品を使った方法が最も効率が良く、
製造コストも低いことを確認した。
作ったBDFで既に、小型発電機のエンジンを動かすことに成功。
燃料としては軽油と遜色なかった。
ラーメン店で提供されるスープでもほぼ同様の結果を得られており、
店でまとまった量を確保できれば、廃棄物を減らし、
さらに効率良くBDFを製造できる可能性がある。
BDFは法律に基づき軽油に5%まで混ぜることができる。
岡山理科大のBDFは低温になると固まりやすい性質を持つが、
軽油に混ぜれば問題はクリアできるという。
「将来的には車を走らせることも夢ではないかもしれません」と近藤准教授。
成果は論文にまとめ、今後、他の食材活用や、
スープに沈殿した具材などからガス燃料を作る研究も計画している。
~~~~山陽新聞デジタルより~~~~
とんこつラーメン大好きです!
それでスープも利用できるなら、こんなイイ事は無いですね?
ただ廃棄してしまうだけの物を、再利用するのはとっても良いことだと思います。