入浴中に浴槽で体調を崩した高齢者のうち、
8割以上が熱中症かその疑いのあることが7日、
千葉科学大の黒木尚長(ひさなが)教授(法医学・救急救命学)の調査で分かった。
急激な温度差が体に悪影響をもたらす「ヒートショック」は1割未満だったことも判明。
死亡事故の場合も同じ傾向があるとみられる。
入浴の際にはヒートショックの危険性が指摘されてきたが、定説が覆る可能性が出てきた。
厚生労働省の人口動態統計によると、平成28年に不慮の事故で溺死した高齢者は6759人。
病死だったケースも含め入浴中の事故死は1万7千人との推計もあるが、
詳細を分析した調査はほとんどなかった。
黒木氏は29年12月、65歳以上の男女3千人を対象にインターネットで
入浴に関するアンケートを実施。
入浴中に具合が悪くなった人は10・8%に上り、症状などから熱中症が62・2%、
熱中症の疑いが22・0%だった。
ヒートショックの疑いは入浴前後を合わせても7・1%にとどまった。
黒木氏によると、体温37度の人が全身浴をした場合、
湯温が41度だと33分、42度だと26分で体温が40度に達する。
この結果、入浴中であっても重度の熱中症の症状が出て、
意識障害を生じるリスクが高まる。
そのまま入浴を続け、体温が42・5度を超えれば突然死することもある。
黒木氏は「高齢者は神経系の老化で熱さを感じにくく、長時間浴槽につかる傾向にあり、
熱中症の初期症状が出ないまま意識障害に陥ることも多い」と説明。
予防には湯温41度以下、入浴時間10分以内を目安とするほか、
こまめに体温を測ることも有効だという。
一方、黒木氏は23~27年に大阪市内で起きた入浴中の事故死のうち、
大阪府監察医事務所が取り扱った2063人の死因を分析。
心臓や脳の疾患を含む病死が74・8%、溺死が17・1%で、熱中症は2・2%だった。
入浴中の突然死の場合、解剖しても慢性疾患以外の所見を見つけることは困難だといい、
黒木氏は「病死と判断せざるを得ないのも仕方なく、ヒートショックの症状と結びつけて語られてきた。
こうしたケースも大半が熱中症だった可能性が高い」と訴える。
28年に大阪市の住宅の浴室で80代の夫婦が死亡していたケースでは、
大阪府警の司法解剖の結果、死因は溺死だったが、
熱中症による体温の上昇で意識を失った可能性が指摘されていた。
~~~産経新聞より~~~~
なるほど・・・。
我々が子供の頃は、お風呂に入ってて熱くなっても
「あと○×回数えなさい。数え終わったらあがっても良いよ?!」なんて言われて
熱いの我慢して数を数えた記憶がありました。
当時は身体が温まるまでガマンするのが当たり前でしたが
気が付くと、今は夏はシャワーしかしないようになってしまいました(笑)
我々の親の世代は、まだ熱いお風呂に頑張って入っている世代。
ちょっとこの話しをしておかないといけないですなぁ・・・。