セミの寿命

2019.06.24

セミは地上に出てから1週間程度しか生きられない」というのは俗説で、

実は1カ月くらい生きていることを、

岡山県立笠岡高サイエンス部の3年植松蒼さんが独自の野外調査で“証明”した。

調査の手法と結果を、5月に広島大で開かれた「中四国地区生物系三学会合同大会」で報告。

高校生の部(動物分野)で最優秀賞を受賞した。

 調査手法は、捕まえたセミの羽に油性ペンで番号をマーキングして放し、

後日、再捕獲を試みるというもの。

植松さんは2016年の7月中旬から9月中旬にかけて、

笠岡市内の住宅地や雑木林など4カ所でほぼ毎日、この調査を繰り返し、

アブラゼミ、ツクツクボウシ、クマゼミなど計863匹にマーキング。

15匹を再捕獲し、4匹を再再捕獲した。

 植松さんは「なかなか再捕獲できず、調査の効率は非常に悪かった」と笑うが、

調査の結果、アブラゼミ、ツクツクボウシ、クマゼミの3種で10日以上の生存を確認。

最長生存確認記録はアブラゼミが32日間、ツクツクボウシが26日間、クマゼミが15日間だった。

 植松さんは小学1年生のころから虫に興味を持ち、セミの鳴く時間帯や、

雄と雌の羽化の時期の違いなどについて調べてきたという。

セミの成虫の寿命の調査は「そもそもセミの死骸を夏の間に見かけることが少ないのはなぜか」と

“短命説”に疑問を持ったことがきっかけだったという。

 合同大会の報告で、日本動物学会の研究者らから高い評価を受け、

植松さんは「疑問を解決するために、自ら考えて取り組んだ点が認められたのでは」

と喜んでいた。

現在、調査の精度を上げるため、セミの鳴き声の波形を専用ソフトで解析して、

個体をそれぞれ把握する手法の確立を目指している。

 植松さんは昨年8月、クマバチに寄生する南方系の昆虫

「ヒラズゲンセイ」を広島県内で初めて発見。

生息域が西に拡大していることを証明している。

~~~山陽新聞より~~~

 

小さい頃から、セミは地上に出たら1週間しか生きられないので

捕まえても籠に入れずに放してあげな? と教わりました。

違うんですね?(笑)

それを今まで誰も確認してこなかったことに驚きです。

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